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9月の法話を掲載しました。どうぞご一読ください。|月々の法話 | 浄土真宗本願寺派 正源寺

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月々の法話

2023/09/06/

みなわが師

作家の吉川英治さんは

われ以外 みなわが師

と仰っています。

自分の人生の途上で出あう人たち、出来事、自然現象にいたるまで、すべて、私に何かを教えてくれる先生であるという心もちの言葉です。

昔から、「転んでもただでは起きない」と言います。転んでも損しないという損得のこと、打算的なことではありません。人生には成功もあれば失敗もある。失敗をしたら、同じあやまちを二度とくり返さない教訓を、その中からつかみ取れということです。成功も失敗も、すべてわが師であるということでしょう。

あるご婦人が、次のように話して下さいました。

三年前の父の日に、主人は三人の子を残して急死しました。その三日前に、小学校六年生の長女が、画用紙を折って、「パパへ」と表書きし、主人に渡しました。中には、「今、お金が無いから手紙でがまんしてね。毎日私たちのために働いてくれてありがとう」と書いてありました。主人は、「父の日に何よりのプレゼント」と、何度も何度も読み返していました。

それが、最後の、父の日のプレゼントのなったのです。以来三人の子は、父なき父の日に、父への手紙を書き、お仏壇にお供えして、父の日のプレゼントにしています。

この頃は、手紙を書くことが随分少なくなりました。三人のお子さんの心のこもったお父さんへの何よりのお供え、大きくなってもずっと続けてほしいですね。

父の死がご縁になって、お仏壇にお参りをするようになったこの子たちにとっては、父は人生の師でした。

亡き人を偲ぶ心を育まれたこの子たちにとって、父は人生の師となったのです。

日本で真言宗を開かれた弘法大師は、

師に二種あり、一には法、二には人なり

と言われています。第一番目の師は仏法です。そして第二番目の師は人です。

親鸞聖人のお念仏のみ教えは、私の人生を正しく導き、支えて下さる心の師でありました。

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